Windowsを長い間使用していると、必要なソフトを都度インストールしていく形になります。

しかし、その反面「もう使っていない」「他のソフトと一緒に入ったけど使っていない」というソフトや、既にサポートが終了したにもかかわらずインストールされたままとなっている場合があります。

前者の場合はPCの容量を圧迫し、バックグラウンドで動作している場合はPC全体の動作を重くしてしまいます。
後者の場合は、前者の条件に加えて、PCのセキュリティを弱くしてしまっている可能性が非常に高いです。

1年に1回でもソフトウェアの断捨離をしていくことを推奨しますが、以下に紹介するソフトウェアがインストールされている場合は、可能な限りアンインストールすることをご検討ください。

アンインストール推奨ソフトウェア

PCクリーナー系ソフトウェア全般

「PCが重くなってきたから、軽くするために!」そう考えてインストールされたことはあるかもしれません。
しかし、ほとんどのPCクリーナー系のソフトウェアは全く効果は無く、逆効果で余計に重くする場合があります。

というのも、PCが重いと感じる理由を高い順に並べると、
・ HDD
・ CPU
・ メモリ
になります。

HDDは、「データの保管庫」であり、「データを出し入れする場所」でもあります。これは「データの読み書き」に該当し、PCがHDDを採用している場合この読み書き速度が影響して遅くなります。
PCクリーナーでは不要なファイルを削除することは可能ですが、これはHDDの容量を圧迫するのみであり、動作速度にそこまで大きな影響は与えません。(不要なファイルはWindowsの機能で簡単に削除可能です。)
現在は高速化が普及している為、「SSD」または「M.2 SSD」を採用しているPCをおすすめします。

次にCPUです。CPUは「中央処理装置(Central Processing Unit)」と呼ばれ、PCの処理を行う部分です。
ソフトウェアの処理を行う役割があり、この部分の性能が低いと処理速度が遅くなり、体感的にも「PCが遅い」と感じる要因になります。PCクリーナー系のソフトはこのCPU処理を多用するものがある為、動作させることにより遅くなる可能性があります。

最後にメモリです。これは一時的に処理を行う際にファイルや処理を保管し、処理終了後に削除する部分です。
多くのPCクリーナーはここに常駐する場合があり、他の処理で使用できる領域を占有してしまいます。

上記の3つが全て掛け合わさってPCは動いており、PCクリーナーはここに悪影響を及ぼす場合もあります。
Windowsは便利で、不要なファイルを削除する機能、メモリを管理する機能がしっかりと備わっています。

PCクリーナーはこれをより簡単にするものではありますが、デメリットも多いので極力不要と考えましょう。

さらに、一部のPCクリーナー系ソフトウェアではユーザー情報を不正に取得していたり、マルウェアを拡散したりと迷惑なものもありますので、最善策は「使わないこと」となっています。

Adobe Flash Player

Adobe Flash Playerは、数年前までWebブラウザ上でFlashと呼ばれるコンテンツを動作させる為に必要なものでした。
しかし、Web技術の進化によりユーザーが急激に減退していき、2021年より公式にサポートが終了し、今後Flashは動作しなくなりました。
つまり、既にインストールされていることに意味は無く、そのままにしていると悪用される危険なものでもあります。

Windowsを最新状態にアップデートしていれば更新プログラムで削除されていますが、もし最新状態でない場合は最新状態へアップデート、もしくは手動でアンインストールすることを推奨します。

Microsoft Silverlight

Microsoft Silverlightは、Adobe Flash PlayerのようにWeb上のコンテンツを動作させるものとなっています。

昔は必要とされていましたが、Internet Explorer10までしかサポートされておらず、今後はInternet Explorer自体がサポート終了となり、Windowsから消えていきます。
そのため、現在では不要なソフトウェアとなっており、セキュリティの面でも悪影響ですので、インストールされている場合はアンインストールしましょう。

Java

Javaは、Adobe Flash PlayerやMicrosoft SilverlightのようなWeb上のコンテンツを動作させる「Javaプラグイン」とローカルのソフトウェアを動作させる「Java」の二種類があります。

どちらも、依存するソフトウェアを使用しているか、開発者である場合のみ必要となります。

しかし、ブラウザ上で動作するコンテンツはほぼ無く、Google ChromeやFirefox、Microsoft Edgeではサポート外となっている為、現在では一般的には不要です。

ツールバー系

よくYahoo検索などを使用している方では見覚えがある、「Yahooツールバー」や「Bingツールバー」、「Googleツールバー」があります。

これは、現時点ではほとんどのブラウザで無効となっており、ガラクタ状態となっています。

便利なように見えて実は既に動いていない為、インストールされている場合はアンインストールしましょう。

Windows系プリインストールソフトウェア

Windows PCセットアップ直後にあるソフトウェアの中にも、不要なものはあります。

例えば「Candy Crush Saga」や「マーチオブエンパイア」などのようなゲーム、「Spotify」や「Mixed Realityポータル」などのエンターテインメント等があります。

基本的に、表示されているソフトウェアはアンインストールされてもPCの動作に影響を及ぼすことはほとんどありませんので、不要なものは削除するようにしましょう。

メーカー製プリインストールソフトウェア

家電量販店等で購入したPCには、プリインストールソフトウェア(別名Bloatware)が多数存在します。

「便利そうだから」と入れておくことも可能ですが、ほとんどは無意味なものが多いのも事実です。

例えば「安心サポート」と名前のあるものはありますが、ほとんどはWebページへのショートカットであり、これを削除したからと言ってサポートが切れる、保証が使えなくなる、ということはありません。

動画編集ソフトや、メモリに常駐するコンシェルジュ系ソフト等は悪影響なものもありますので、必要無いものはアンインストールしましょう。

ただし、例外としてPCの動作を安定させるものもあります。
PCのドライバーやBIOS等のセキュリティを更新するソフトウェアもありますので、そのようなソフトは極力残しておくことをおすすめします。

Quick Time

Apple社が開発する「iTunes」をインストールした際に同時にインストールされるソフトウェアで、様々なマルチメディアを再生することが出来ます。

しかし、2016年に開発・サポートが終了しており、それ以降にリリースされたマルチメディアには非対応となっています。
故に、iPhone内にある動画をWindowsで再生しようとしても、結局使わずに残ったまま、と無意味な存在となっています。

不要な場合はアンインストールしましょう。

サポートが終了したソフトウェア

サポートが終了したソフトウェアは、代表的なものでは「Microsoft Office 2010以前」、他にも上記のAdobe Flash PlayerやQuickTime、古いソフトウェア等が挙げられます。

「サポート終了」となったソフトウェアは、「問い合わせセンターが閉鎖される」という意味合いではなく、「以降の更新プログラムが提供されなくなる」ことを意味します。

Office 2010であれば2020年10月14日がサポート終了日であり、それ以降に見つかったセキュリティホールや脆弱性、バグや不具合を修正するプログラムは一切提供されなくなります。

このように、ソフトウェアのサポートが終了するということは、セキュリティ上での問題が発生しかねません。

一般的なフリーソフトの場合も同様に、「開発やバージョンアップが続いているもの」を基準に選択すると、より安全に利用することが可能です。(むやみやたらに入れていると逆効果です)

複数のアンチウィルスソフト

PCを使用する上で、アンチウィルスソフトをインストールしている方は多いと思います。

しかし、どんなに優秀なアンチウィルスソフトでも、使用環境によっては逆効果になります。
それが、「複数のアンチウィルスソフトを入れること」です。

例えば、「ウィルスバスター x Norton」や「ESET Smart Security x AVG」等、複数のアンチウィルスソフトを組み合わせて使用すると、一見強そうに見えますが、逆効果になります。

アンチウィルスソフトをインストールした場合、干渉を防ぐ為Windows標準のセキュリティソフト「Windows Defender」が無効となり、その代わりにアンチウィルスソフトが保護します。

しかし、これを複数インストールした場合、お互いが干渉しあってお互いのシステムファイルを削除したり、逆に重要なところで動作しなかったりと、全く無意味な状態になってしまいます。

無料版のアンチウィルスソフトでも同様の状態になる可能性が非常に高い為、アンチウィルスソフトを複数インストールしている場合はどちらかをアンインストールしましょう。

期限切れの無料試用ソフトウェア(シェアウェア)

シェアウェアは、一定期間の試用期間や機能制限が行われた試用版があり、有料版を購入することでフル機能にアクセス出来るようになるものです。

最初は無料の為、試用するのは十分ですが、試用後購入しない状態を維持しているとPCのパフォーマンスに影響を与える場合があります。

というのも、シェアウェアの一部は試用期限が切れた場合、再起動や一定時間経過時に自動起動し、「購入してください」と表示するものがあります。

試用版をインストールして試すのは自由ですが、購入を異様な程勧めてくる場合はPCのバックグラウンド処理を使用し、その分メモリを消費します。
中にはわざとPCの処理を重くし、「購入すればPCが軽くなります」と促してくる厄介なものもあります。

もし試用期間が終了し、今後も必要無いと判断した場合は速やかにアンインストールしましょう。
不要なものは、いつまでも不要です。

まとめ

PCを重くしてしまう一番の理由は、PCの性能もありますが大きな要因は「使い方」によるものです。

不要なものが多く、常にバックグラウンドで動作している為に従来の性能を存分に発揮できない場合が多いのです。

特に有名な例では、会社PCのように「余計なものが少なく管理されたPC」が快適に動作し、家庭PCは会社PCより性能は上なのに重い、ということはよくあります。

年に1回でも良いので、PC内の清掃、断捨離をしてあげると、快適に使用出来るようになります。

投稿者 システム担当 川口

株式会社イセヤマ システム開発担当(25歳)です。 業務システムやERP、CRM開発の他に、アプリケーション開発やインフラ構築・運用、社内外へのITコンサル・アドバイザーを行っています。